Greco FV600WR
中学時代に初めて買ったエレキギター。
小学校の頃にKISSを知り、ポール・スタンレーにあこがれて、当時ポール・スタンレーがメインに使っていたGibson Flying V が欲しかったのだが、当時GibsonのVは278,000円。
小学生のオレには無理な相談だ。
それでも、数年お年玉等を貯めてやっとギターが買えそうな金額になった。
それが、中学2年の時だった。

今となっては記憶が曖昧だが、確か7万円貯めたはずだ。
ソレまで、何度となく地元の楽器屋さんへ足を運び、品定めを繰り返し、エレキギターにはコピーモデルがあることを知り、本家Gibsonは目玉が飛び出るほど高いこと。
国産コピーメーカーのギターなら、格安で同じようなモデルが沢山有ることを知った。
当時、その楽器屋さんにあったFlyingVは、GrecoとFernandesとFresherのVだった。
Fresherが39800円。
Fernandesが70000円。
Grecoが60000円だった。
予算的に、Fernandesを買うとケースが買えない。
なのでGrecoを選択し専用ハードケースも買おうと思ったら、ハードケースは18000円もする代物だった。
買い物に一緒について来た親父を説得して、ハードケースと練習に必要だということで、小型のアンプとストラップ、シールドコード、音叉等、今で言う「初心者セット」を自前で揃えて、総額10万円になってしまった。
足りない分は親父が渋々出してくれたが、これらを持ち帰ることは出来なかった。
何故なら、ウチには「お袋」と言う難関が待っているからだ。

親父曰く、重たいし、数も多いので、配達してもらえと。
で、店頭品じゃなく、在庫を出してもらえというわけだ。
今考えると、店頭品を試奏してるのだから、店頭品を持ち帰るべきだったんだが、当時はそんな事は思いもよらず、「在庫品が新品」と単純に思い込んでいたので、在庫を配達してもらった。

待つこと1週間。
この一週間が鬼の様に長かったことは言うまでもない。
で、一週間後の有る日、玄関の呼び鈴が鳴って、出てみると大きなダンボールケースを抱えた楽器屋さんの店員さんが立っていた。
今なら宅急便で配達するところだろうが、当時は宅急便など無かったので、小売店がそれぞれ自前で配達してた。

お袋の目を盗んで品物を受取、自室に持ち込み開封!
憧れのFlyingVが出てきた。

スペックは、カタログ通りだと、マホガニーボディー、マホガニーセットネック、ローズ指板、U1000ピックアップ2基となっている。
実際にもほぼ其のとおりなのだが、ボディーがパンケーキになっていた。
つまり、表面と裏面で2枚のマホガニーの板が貼り合わせられており、その間には1mm程度の別な板材が挟み込まれていた。

本当は、ポール・スタンレーと同じ、黒か白がほしかったのだが、店員さん曰く「コレの方がピックアップが2基付いてるので、音のバリエーションが広がるし、ポール・スタンレー仕様だとピックアップが1つしか無いから、すぐに飽きる。」と言われて、このチェリーレッド(Greco的にはワインレッド)のVを強く進められ、押し切られる形で決めたものだ。

しかし、楽器屋の店員って、どうしていつも余計なこと言うんだろうね?w
客が欲しがってる物を素直に出せばいいじゃん?
なんで、自分の持論展開してその通りに購入させようとするんだろうね?
この手の「店員さんに騙された」系の話は、そこら中で散見するんで、全国的に「店員」ってのはそういう商売なんだろうかね?w

で、ワインレッドのVに違和感を感じつつも、取り敢えずエレキギターだし、成毛滋おすすめのGrecoだし、なんせ6万円もするんでソレだけでも大満足で、毎日弾きまくってたよね。

当然直ぐにお袋にもバレてさんざん叱られるが、今更返品も出来ずにそのままなし崩し的に所有し、その15年後にお袋は他界するんだが、最後まで、このギターも、バンド活動も、何もかも認めて貰えなかった。

このGrecoのFlyingVは高校に入ってからもずっとメインで使っていたが、トレモロアームをつけたり、ピックアップを交換したり、塗装の塗り替えをしたりと、さんざんいじり倒して、最後はコタコタになってしまったが、高校3年の時に友人の弟がギターを始めるとのことで、FlyingVがほしいと言うので、1万円で売ってしまった。
別に後悔はしてないが、このギターで、配線の改造や木部の加工、塗装その他、エレキギターの構造を覚えたようなものだ。

今は何処にあるのだろうか?
破棄処分になってるような気もするが…。w
高校時代に学祭やライブなどで散々使い倒したギターなので、想い出も沢山ある。
なので、ヤフオク等で、このGrecoのFV600WRを見るたびに、当時を懐かしく思い出してる。

サウンド的には、可も無く不可も無い、標準的なFlyingVの音だったと思う。
GrecoのU1000ピックアップは、今でも良い音だと思う。
当時のU1000はワックス処理こそされてなかったが、アルニコマグネットが採用されており、PAFライクなサウンドの中にも、粗さやパワフルさも兼ね備え、Gibsonとはまた違ったサウンドだったが、コレはコレで、ロックな音がしてたと思う。

その後、GrecoU1000は、ワックス処理がされ、ワイヤーが多めに巻かれたり、セラミックのマグネットになったりと色々変貌して、どんどん劣化するんだが、この初期のアルニコのU1000は名機だと思う。
今でも数個持っているが、どれもすこぶる良い音だ。
言うならば、70年代のGibson T-TOPと同じ印象を受ける。
これは、ある意味凄いことだと思うよ。